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ケース・スタディ:初の特許デザイン

結果概要*

排熱性能3倍アップ
圧力損失3分の1
重量22%減
最適形状因子、55㎜小型化
一体構造-機能統合、部品数と組立費の削減、接合部や溶接部なし

*従来の方法で製造されたモータースポーツ熱交換器を標準とした場合

はじめに

初の特許デザイン

これはConflux Technology(コンフラックス・テクノロジー)が構築された基礎-初の特許デザイン-に関するストーリーである。-初の特許デザイン-はConfluxの始まりにおけるゲーム・チェンジャ―(大きな影響を与える革新的な物)であり、現在Confluxはその基礎から目覚ましく進化している。この最初のデザインは、熱交換器における積層造形(AM)の可能性を証明するものとして、Confluxが世界の舞台で名を成し多岐にわたる業界でAM技術の向上を促進させることを可能にした。

2014年、ConfluxのCEOであり、創設者であるマイケル・フラーは、高性能熱交換器の作製に金属積層造形を用いる可能性を考えた。開発プロセスにフォーミュラ・ワンテストマップを使用し、国際的F1チームからの直接のフィードバックを基に、そのデザインが最も過酷な環境-F1モータースポーツ-で基準に達することが可能かどうかを確かめることに着手した。助成金により、進行中であったConflux熱交換器デザインの反復的開発の一環として、CSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構)の技術、そして彼らの経験豊富な「流体工学グループ」の技術を活用することが可能となった。

2017年までにはこの熱交換器が、我々の結集した努力に対する最高の報いとなり、Conflux に創業資金をもたらし、すべての製品群が進化する原点となった。このデザインの実現をConfluxのビジネスにとって強い影響力のある出来事と呼ぶことは、控えめな表現に他ならない。

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課題

フォーミュラ・ワンのための、より高性能で、より軽量な熱交換器を創る。

熱交換は多岐にわたる業界で使用される熱力学的技術であり、モータースポーツにおけるその適用は、過酷なパフォーマンス環境、また、より小型で、より効率的、より軽量の部品が要求されることもあり、最も複雑な適用のひとつである。F1エンジニアらの心の中では、空気力学が最たるものであり-航空学の必須要件と同様-、そのため車両表面の下に組み込まれたすべての部品とシステムを使用し、自動車の形状を空気力学の利点の最大まで最適化する能力には計り知れないほどの重要性が置かれる。

我々は、Confluxの熱交換器開発過程において、AM-その成熟周期において未だ比較的若く、新しい製造の形-が、十分に競争力があり、それどころか、より軽量で、高性能な熱交換器の作製において従来の製造プロセスにまさることを証明しなければならなかった。同様に、3Dプリンティングは熱交換器には全く適用できないと信じる多くの否定派がおり、熱交換器の開発における3Dプリンティングの使用例はそれまで非常に限られていた。

デザイン

Confluxの熱交換器をフォーミュラ・ワンへ適用することに対する実行可能性を証明するため、我々は一連の境界条件でデザインする必要があった。これには最先端の形状-最適化された液体流路と3D表面特徴を併せた、高い表面積密度-の開発を要し、厳密には何が可能で、何が最高のパフォーマンス基準を提供するかを見極めるため、その形状は徹底的にテストされた。

製作

ConfluxはAMの可能性の境界を押し広げていたため、その製作において数々のハードルに直面した。熱交換器の壁は、最適とは言えない積層角度、また優れた材料特性を要するという条件下で、非常に薄くなければならなかった。これは、数々の失敗を繰り返しながらも、最終的には一つ一つの試みがマシーンとデザインのパラメーターにおける新たなベースラインの構築に役立ったことで、失敗から学べたことを象徴していた。

後処理

粉末除去は極めて複雑であり、粉末付着のない部品の製作を成功させるには、多数の段階を必要とした。しかし、この課題により、我々は異なる環境での粉末挙動に対する理解を促進させ、また、我々がどのように将来の部品の粉末除去やデザインの微調整を最適化できるかを明らかにし、工程を効率化することができた。

このデザインにより、Confluxは新たな領域に道筋をつけており、同時に、他社がこれに続くよう、Confluxが初期に得た知識やR&Dから、新たな業界でのベースラインを作っている。当然のことながら、これは平坦な道のりではなかた。Confluxチームにとって、熱交換器の新たな基準の開発だけでなく、技術の先駆的な形を、シミュレーション、製造、後処理することは常に試練であった。

ソリューション

初の特許デザイン-期待を上回る熱交換器

6カ月間で6つのプロトタイプの開発という迅速な概念実証開発プログラムの後、Confluxの熱交換器の最終版が構築され、そして2015年に特許を取得した。この最終版で、Confluxは全てのデザイン、製作、及び後処理の課題を克服し、積層造形を用いた熱交換技術の可能性を解き放った。-多くが不可能と考えていたことを成し遂げた。Confluxはまた、以前の熱交換器よりも小型、軽量の両方であると同時に、このような装置を規格外の形状へ入れ込むという自由を持つことは非常に大きな利点であることを実証した。

一連の境界条件での熱伝導や圧力損失目標は明確に達成され、最先端の形状は複雑な積層角度で正確にプリントされた。これらは以前、従来の製造を通して達成可能であったものを超えるパフォーマンス標準をもたらした。

我々は素早い反復デザインと、迅速なプロトタイプ作成、及びテスト実施を連携させることに成功し、それ以来、この「デザイン、シミュレーション、ビルド、テスト」モデルの垂直統合は非常に効果的であると証明され、年間を通した継続的なプロジェクトへの顧客エンゲージメントの枠組みとなっている。

長年にわたるR&Dの頂点を象徴すると同時に、Confluxの初の特許デザインはその最終的な形状にたどり着くまでにいくつかのツールを活用した;計算流体力学(CFD)は、熱交換器デザインの反復の質を高めるため、流れの視覚化を用いて最初に使用され、さらに性能予測にも使用された;非線形熱機械有限要素モデリング(FEM)は構造的完全性を維持するため、置換や応力の解析に採用され、;EOS社のAMを対象としたソフトウェアツールはデータ作成、プロセス最適化、品質保証をアシストした。

しかしながら、最大のツールは間違いなくConfluxの人材の技術的才能と専門的技術であった。根気と確かな基準を通して、Conflux チームは、業界を再定義する特許を作り上げるために団結し、それが、今後の前進において、まさに完璧を目指すことへの励みとなっている。

結果

2016年にConfluxのデザインをポール・ポジションに置いた新たなベンチマーク

イギリスで、認定キャリブレーションサービス、及び熱流体、部品の試験サービスを提供するUKAS認定研究所、Young Calibrationsに、Confluxの初の特許デザインと従来の方法で作られたモータースポーツ熱交換器のベンチマークとの比較を任せた。

主要な調査結果(図1参照):

  • 一定量の表面積増加で、3倍の排熱、同時に圧力損失を3分の2に削減。
  • 熱交換器ベンチマークの長さ55㎜削減で、ベンチマークの重量の22%を効果的に除去。

これらの性能面で得た成功に加えて、Confluxの初の特許デザインにおけるデザイン柔軟性は、自動車内の最適配置を可能にすることが示され、それは部品の結合を可能とし、結果、全体の部品数削減につながる。また、従属部品を一点に統合することは、熱交換器の組み立てにかかる時間を著しく短くし、接合部や接触面における不良箇所発生の可能性を減少させる。

Conflux の熱交換器は、AMプロセスが熱力学的性能の発展に役立てられ、熱交換器の新世代を導けることの証明に大きな役割を果たした。どのような画期的瞬間と同様に、可能性を疑問視されていたことが今現実となったことをこのデザインが否定派に証明した。

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上記の表は、Conflux Technologyの初の特許デザインの排熱と従来の方法で製造されたF1ベンチマーク熱交換器との比較を表している。

Image - Our First Patented Design 1
Image - Our First Patented Design 2

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